ダイキンTICインタビュー|本音が交わる職場へ──ダイキンTICがBeLiebeと取り組む、働き方と対話のアップデート

ダイキン工業株式会社 テクノロジー・イノベーションセンター様について
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TIC(テクノロジー・イノベーションセンター)は、2015年に設立され、異業種・異分野の企業・大学・研究機関との連携を通じて社内外の知恵を融合し、新たな価値をオープンな環境で創出する『協創』を目指しています。TICのミッションは、協創による世界No.1の技術力を築き、超差別化商品による事業拡大、革新技術・先端技術による新たな価値創出・事業の展開を実現し、ダイキングループの持続的な成長と発展に寄与することです。
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今回お話を伺った方のお名前・ご所属
- ダイキン工業株式会社 テクノロジー・イノベーションセンター 担当課長 塩谷優子さま
- ダイキン工業株式会社 テクノロジー・イノベーションセンター 藤松あかりさま
- ダイキン工業株式会社 テクノロジー・イノベーションセンター 猪野 裕奈さま
- ダイキン工業株式会社 テクノロジー・イノベーションセンター 習田眞莉香さま

帰宅して寝転がって、“このまま保育園に迎えに行かなかったらどうなるんだろう”と考えていた——。
そんな本音のエピソードに、意外にも男性管理職が強く共感したといいます。
働く人のリアルな声に耳を傾けることから、組織の変化は始まります。2025年、ダイキン工業株式会社 テクノロジー・イノベーションセンター(以下、ダイキンTIC)では、DE&I推進の一環として株式会社BeLiebe(以下、BeLiebe)が提供する「仕事と育児の両立セミナー」を実施(当日の様子はこちら)。多様な社員が、ライフステージを問わず力を発揮できる環境づくりに向けて、新たな一歩を踏み出しました。
お話を伺ったのは、同センターで約900名の技術者の労務管理・人材育成を担当し、その中でDE&I含め社員全員が働きがいをもって働ける組織を目指して邁進している塩谷優子さん、藤松あかりさん、猪野裕奈さん、習田眞莉香さんです。
育児経験がない社員にも届いた、実施の背景にある想い
これまでダイキンTICでは、育休復帰者向けのイベントを定期的に開催してきました。一方で、育児中ではない社員や、育児している部下を持つ管理職から、「どう支えればよいかわからない」「将来、自分も両立できるのか不安」といった声が届いていたといいます。
習田さんは、セミナー実施に至った背景をこう語ります。
「私はまだ育児の経験がありませんが、“いつか自分がその立場になったときに、キャリアを諦めなければいけないのでは”という不安を感じることがありました。そんな悩みに共感し、当事者以外にも気づきがあるセミナーにしたいと思ったのです」

働き方の変化と、本音に触れられる場づくり
ダイキンでは、出社を基本として対面での対話を大切する風土はそのままに、コロナ禍を経て、柔軟な在宅勤務制度も浸透しました。小学校卒業までの子どもを有する従業員および要介護状態にある家族を介護する従業員を対象に、1か月の半数未満を上限として在宅勤務が可能な制度を整備し、時間に制約のある社員にとっても働きやすい環境となっています。
制度だけでなく、「本音を話せる関係性」を築くことも重視しています。
セミナーで印象的だった気づきをこう振り返ります。
「自身が若い頃は “24時間働けますか?”というようなハードな働き方をしていた管理職の方が、“男女ともに仕事と家庭を両立する社員が増えた今の時代は、自分たちの若い頃の働き方ではいけない”と感じていたことを、メンバーに知ってもらえたのは大きな一歩でした。“それを口にしてもいいんだ”と感じてもらえたのではないでしょうか」

対話がもたらす変化と、継続への手応え
セミナーには150名以上が参加し、予想を超える盛り上がりとなりました。男性・女性問わず、多様な立場の社員が参加してくれたことが特に印象的だったといいます。
参加者アンケートには、「プライベートな悩みも共有したくなった」「管理職の本音が聞けて安心した」などの声が寄せられました。
塩谷さんが共有してくださった、ご自身のエピソードにも大きな反響がありました。
「子どもがまだ小さい頃、毎日を回すことで精一杯で、保育園のお迎えに行く前に一時帰宅した時、“このまま保育園に迎えに行かなかったらどうなるんだろう”と疲れ果てて寝転がっていたことがありました。それを話した際、共働きで子育て中の男性の管理職の方が私の気持ちやしんどさに共感してくださって……。少しずつ、価値観が変わってきていると感じます」

セミナー後は、「こんな取り組みをまたしてほしい」「こういう場合はどう対応すべきか」といった相談も寄せられたそうです。
制度から文化へ。日常の関係性が変化を後押し
ダイキンTICではフリーアドレス制を導入している一方で、塩谷さんらのチームはTICのメンバーが相談しやすいようにあえて“固定席”を設けているそうです。窓口としての存在感を保ち、「話しかけてもらえる雰囲気づくり」にも注力しています。
藤松さんは、社員との関係づくりについて次のように語ります。
「“ありがとう”“助かった”と思ってもらえる対応を日々心がけています。困りごとは背景を知らないと本質的な支援ができません。だからこそ、日頃から本音を言ってもらえる関係をつくることが大事だと考えています」

自分らしいキャリアを描くために、できることを
今後は、育児や介護をこれから経験するかもしれない社員に向けた、小規模なグループディスカッションなどの機会も検討されています。セミナーを通して寄せられた声を起点に、より深い対話を行っていきたいという構想です。
「社員が、自分の人生をどう描くかを考えるきっかけにしたいと思っています。会社のキャリアだけでなく、人生全体を通してキャリアを考える視点が、今の社員には求められていると感じます。その中で会社がどこまで寄り添えるか、他社の事例も学びながら、一緒に考えていきたいですね」

ダイキンTICが目指すのは、「制度がある」だけで終わらせず、その背景にある想いが社員同士の中で伝わっていくこと。
一人ひとりが自分らしく働きながら成果を出せるように——そんな職場を目指して、これからも一歩ずつ前に進んでいきます。
- 株式会社BeLiebe(ビーリーブ)
- Email:contact@beliebe.net